縮毛矯正をやめたい人へ。脱・縮毛矯正4つのメリットと5つのデメリット
キャリア21年の
美容師があなたの
髪の疑問や悩みに
本音で答えます。
宇野 和弘|Kazuhiro Uno
回答者プロフィール:
表参道、渋谷の有名美容室4店舗を経験。キャリア21年。毛髪、薬剤知識が豊富。得意分野はカラーリングと縮毛矯正。丁寧なカウンセリングをベースにしたカットでスタイルを作り、併せて最適なヘアケアを提案。特に30〜40代の美意識の高い大人の女性から評価を頂いています。
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縮毛矯正をやめたい場合の4つのメリット
縮毛矯正をやめることで得られるメリットは様々にありますが、簡単にまとめておくと
1. 縮毛矯正にかかる費用や時間が無くなる
2. 縮毛矯正が原因のダメージヘアから脱却できる
3. 年齢からくるペタ毛から脱却できる
4. 同じ髪型による飽きやマンネリから脱却できる
……といった点が挙げられます。
1. 縮毛矯正にかかる費用や時間が無くなる
縮毛矯正をやめることで、縮毛矯正にかかる費用や手間、労力をすべて無くすことができます。
というのも、縮毛矯正は、あくまで既に生えている髪に対して、薬剤+熱の力で働きかけて、クセやうねりを真っ直ぐに伸ばす施術。
逆に言えば、これから生えてくる髪に直接働きかけることや毛根の形を変化させること、また、根本的な部分で地毛の髪質をくせ毛→直毛に変えていくことはできません。
そのため、一度、縮毛矯正をかけたとしても、新しく生えてくる根元部分は、地毛通りのクセやうねりが出てしまう。
髪を真っ直ぐな状態に保つためには、新しく生えてくる根元の地毛部分に対して、半永久的にリタッチという形で定期的に縮毛矯正をかけ続ける必要があります。
例えば、表参道エリアで縮毛矯正をかけ続けた場合、1回につき、ざっくり下記のような費用と施術時間がかかります。
縮毛矯正のみ | 縮毛矯正+カット |
15,673円 | 22,321円 |
※価格はすべて税込み価格です 調査対象:表参道エリアで大手ポータルサイトへ広告出稿をしている美容院(153店) 調査実施時期:2017年2月20日(月)10:00〜2月21日 14:00 |
縮毛矯正のみ | 縮毛矯正+カット |
150分 (2時間半) | 180分 (3時間) |
もちろん、地域差や立地差によって費用は多少前後しますが、髪を真っ直ぐな状態に保つためには、ショート〜ミディアムヘアで少なくとも3〜4ヶ月に一度。
ミディアム以上のロングヘアの方であれば、半年に1回程度は美容院に通い続ける必要があり、その都度、上記の費用と時間がかかります。
一方で、縮毛矯正をやめることにより、縮毛矯正をかけ続けるために必要なこれらの費用や施術時間をすべて無くしていくことができます。
2. 縮毛矯正が原因のダメージヘアから脱却できる
縮毛矯正をやめることで、縮毛矯正が原因の慢性的なダメージヘアから脱却していくこともできます。
というのも、縮毛矯正は美容院で行うヘアメニューの中で、髪への負担やダメージが最も大きい施術です。
もちろん、美容師の経験値・スキル次第である程度、髪へのダメージをコントロールできますが、それでも最大級に髪への負担が大きい施術であることには変わりません。
そのため、施術後の髪はダメージが蓄積しやすく、定期的に縮毛矯正を行っている方の中には、慢性的なダメージヘアに悩む方も多くいます。
また、年齢を重ね、30代中盤〜後半以降になってくると、縮毛矯正だけでなく、月に1回程度のペースで定期的に白髪染めを行う必要も出てきます。
特に7〜8トーンなど明るめの色味で白髪を染めようと思うと、ある程度、強い薬剤を使う必要があり、白髪染め単体でも髪への負担やダメージは大きくなります。
ただでさえ髪への負担やダメージが大きい縮毛矯正に加えて、定期的かつ頻度も多い白髪染めのダメージが上乗せされていくと、髪に蓄積されるダメージはますます大きくなっていきます。
一方で、縮毛矯正をやめることにより、髪への負担やダメージを抑え、縮毛矯正が原因の慢性的なダメージヘアから脱却していくことができます。
3. 年齢からくるペタ毛から脱却できる
遺伝的な要素もあるので、個人差がありますが、髪の毛は、おおよそ27歳〜28歳が一つの転換期(分岐点)と言われ、28歳を過ぎると、その質やコンディションは、どんどん下がっていってしまいます。
また、その後、40歳を超えたタイミングでもう一つの転換期があり、40歳以降はさらに急激に髪の質やコンディションが衰えていってしまいます。
これらは男女ともに起こる現象であり、ある程度やむを得ない部分ではありますが、この2つの転換期以降は、髪が細くなり、ハリやコシ、ボリュームが出づらい。キューティクルも整いづらく、ツヤも出にくくなってしまいます。
こういった年齢による髪質の変化やコンディションの低下に対して、引き続き、縮毛矯正をかけ続けてしまうと、どうしてもボリュームダウンしすぎて、ペタッとした印象になりがちです。
一方で、縮毛矯正をやめることにより、髪がボリュームダウンしすぎることを防いだり、ペタっとした印象から脱却していくことができます。
4. 同じ髪型による飽きやマンネリから脱却できる
縮毛矯正をやめることで、何年も同じ髪型でいることからくる飽きやマンネリからも脱却していくことができます。
縮毛矯正の場合、ミディアム以上のロングヘア&重めの髪型にすることで、髪の重さでクセやうねりが多少落ち着きやすくなり、縮毛矯正の持ちも良くなります。
また、もともと最大級に髪への負担やダメージの大きい縮毛矯正を定期的にかけることをふまえて、カラーは入れずに黒髪のまま。もしくはカラーを入れたとしても、ダメージを最小限に抑えるために、暗めのトーンを入れるケースがほとんどです。
その結果、デザインよりも機能性や縮毛矯正との相性の良さを優先することになり、縮毛矯正をかける方の多くが、長年、縮毛矯正の定番ヘアスタイル=黒髪で重め、ミディアム以上のロングヘアを選ぶことになる。
それが飽きやマンネリを感じる原因にもなってしまいます。
一方で、縮毛矯正をやめることにより、黒髪で重め、ミディアム以上のロングヘア以外の選択肢も出てくるため、何年も同じ髪型でいることからくる飽きやマンネリからも脱却していくことができます。
縮毛矯正をやめたい場合の5つのデメリット
縮毛矯正をやめることで得られるメリットは数多くありますが、当然、デメリットも存在します。
特に、縮毛矯正をかける前に、くせ毛で悩んでいた当時を思い出してもらうと、よくわかりますが、縮毛矯正前に抱えていた悩みが、そのまま縮毛矯正をやめた際のデメリットになります。
特に
1. 毎朝のスタイリングに悩むことになる
2. 時間がかかる。遅刻が増える。心に余裕がなくなる
3. 雨の日、梅雨時期が怖くなる。
4. 自分に自信が持てない。消極的になる。集中力が下がる。
5. カットの周期は短く、その分の費用や時間はかかる
……といった点が挙げられます。
1. 毎朝のスタイリングに悩むことになる
縮毛矯正をかけていた時とは違い、脱・縮毛矯正でくせ毛を活かしたヘアスタイルにしようと思えば、
髪を洗ってドライヤーで乾かすだけでは、根元のクセやうねり、ボリュームを抑えることはできなくなり、特に地毛のクセやうねりが強い人は、毎朝のスタイリングが決まらず悩むことになります。
操作性の良いストレートヘアを失ってしまうのは、縮毛矯正をやめる大きなデメリットです。
2. 時間がかかる。遅刻が増える。心に余裕がなくなる
また、縮毛矯正をやめることで、毎朝のスタイリングに少なくとも30分程度。うまくまとまらない時は、セットだけで1時間近くかかってしまうことも多々あります。
毎朝のスタイリング時間を短縮できなくなるため、遅刻も増え、時間に余裕が持てないことで、心に余裕もなくなってしまいます。
3. 雨の日、梅雨時期が怖くなる。
加えて、縮毛矯正をやめることで、雨の日や梅雨時期など、湿度が高い日には、思うように前髪が決まらず、髪もまとまらず、セットもしづらくなることが多々あります。
結果として、雨の日やジメジメとした梅雨時期が極端に怖くなってしまいます。
4. 自分に自信が持てない。消極的になる。集中力が下がる
また、脱・縮毛矯正でくせ毛を活かしたヘアスタイルにしようと思えば、髪がまとまらず、毎朝のセットで納得のいくヘアスタイルが作れないことも多々あります。
また、それが原因で自分に自信を持てずに、物事に取り組む姿勢も消極的になってしまいがちです。
また、うまくまとまらないヘアスタイルのことばかりが気になってしまうので、目の前の物事に集中して取り組むこともできなくなってしまいます。
5. カットの周期は短く、その分の費用や時間はかかる
縮毛矯正をやめた場合、縮毛矯正にかかる費用や施術時間を無くすことができても、カットの周期は短くなるため、その分の費用や時間がかかるようになります。
というのも、縮毛矯正をやめ、地毛のクセを活かしたスタイルを作ろうと思うと、基本的にはくせ毛と相性のよいショートヘアなど髪が短いスタイルを狙っていくことになります。
直毛の方がショートヘアにする場合、1ヶ月半に1回程度のペースでカットしていただくと、操作性が良く、スタイルも崩れにくい状態を維持することができます。
一方で、くせ毛の方がショートヘアにする場合は、直毛の方よりも形が崩れやすく、操作性も悪化しやすいため、より短い間隔、1ヶ月に1回程度の短いペースで髪を切っていただく必要があります。
そのため、縮毛矯正をやめ、仮に縮毛矯正にかかる費用や施術時間を無くすことができても、カットの周期は短くなるため、その分の費用や時間・手間がかかるようになります。
縮毛矯正をやめたい場合の具体的な方法
毛先をカット&地毛を伸ばすを繰り返す
担当の美容師さんと相談&プランを立てて、毛先の縮毛矯正部分をカットで無くしつつ、根元から新たに生えてくる地毛のくせ毛部分を伸ばしていくこと。
長い時間をかけて、少しずつ髪全体に占める縮毛矯正部分の割合を減らしつつ、同時に地毛のくせ毛部分の割合を増やしていくやり方が一般的です。
移行に必要な時間は最低1年半〜2年程度
髪の毛は1ヶ月で約1センチ程度しか伸びないため、完全に縮毛矯正部分を無くした、地毛のみのヘアスタイルにするためには、ショート〜ミディアムヘア(18センチ〜24センチ)程度の長さのヘアスタイルを狙っていく場合でも、少なくとも1年半〜2年程度。
30センチ以上のロングヘアの場合は3年弱という、長い時間をかけて、少しずつ縮毛矯正部分のカット&地毛を伸ばすことを繰り返していく必要があります。
移行期間中は髪が扱いづらくので注意
ただし、この縮毛矯正→くせ毛を活かしたヘアスタイルへの移行期間中というのは髪がかなり扱いにくく、髪型も崩れやすくなるため注意が必要です。
実際、移行期間の途中で、髪の毛の半分にあたる根元〜中間部分までは地毛のくせ毛で、残りの中間〜毛先部分までは縮毛矯正がかかったストレートヘアの場合、
種類や質の異なる髪が混在することになるため、ただ単に髪を洗ってドライヤーで乾かし、髪をおろすだけでは、ヘアスタイルとして成立しづらい。
髪を縛ってごまかしたり、クセやうねりが出る根元部分をヘアアイロンで伸ばして馴染ませること。
あるいは、真っ直ぐになっている中間〜毛先を巻き髪用のアイロンで巻くなど、ヘアアレンジやスタイリングでうまく馴染ませたり、ごまかす必要があります。
梅雨時期に挫折しやすく、縮毛矯正に戻りたくなる
すでにお伝えした様々なメリット・デメリットをふまえ、脱・縮毛矯正にトライするお客様は多くいらっしゃいますが、その半数程度が途中で挫折し、縮毛矯正をかけ続ける元の状態に戻しています。
というのも、脱・縮毛矯正に挑戦した場合、ショート〜ミディアムヘア(18センチ〜24センチ)程度の長さのヘアスタイルを狙っていく場合でも、少なくとも1年半〜2年程度。
30センチ以上のロングヘアの場合は3年弱という、長い時間をかけて縮毛矯正→くせ毛を活かしたヘアスタイルへと移行していくことになります。
この1年半〜3年弱という移行期間中には、必ず梅雨時期が1〜2回程度入ってくるため、そのタイミングで、どうしてもヘアスタイルが決まらずに気持ちが萎えてしまう。
結局、もとの縮毛矯正をかけていた状態に戻し、そのラクさを再確認して、縮毛矯正をかけ続ける状態に戻すお客様は多くいらっしゃいます。
縮毛矯正をやめて、くせ毛をいかしたヘアスタイルにするためには、それなりに気合と忍耐力が求められることを、ご理解ください。
なお、下記の「知らなきゃマズい。縮毛矯正とストレートパーマの基礎と絶対にダメな事」という記事の中で、
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